サプリの企画開発を20年近くやってきて、よく聞かれるのが「飲むだけで痩せるサプリを教えて」ということだ。もちろん、飲むだけで痩せるサプリなんてない。もしそんなもの本当にあって、販売していたら、すぐに逮捕されちゃう。サプリとは、サプリメント。特定の栄養成分を凝縮させて、錠剤やカプセルに詰め込んだもの。見た目が薬みたいなので、サプリを薬っていう人もいるがその実はまったく違う。サプリは健康食品つまり食品だ。
さて、飲むだけで痩せるサプリなんてない、と言ったが、痩せるための体の働きを助けてくれるサプリ(栄養素・食品)はいくつもある。そのうちの一番手が「食物繊維」だ。痩せたいなら、なにはさておき食物繊維を摂ることをお勧めする。あなたのダイエットを「確実に」助けてくれるはずだ。しかもカロリーはゼロ。
食物繊維の種類
食物繊維といっても、大きく分けて2種類ある。一つが「水溶性食物繊維」もう一つが「不溶性食物繊維」だ。同じ食物繊維だが、その性質は少し違う。
水溶性食物繊維
読んで字のごとく、水に溶ける性質を持つ。水溶性食物繊維は、水分を吸収してゼリー状になる傾向がある。これにより、胃の中で膨らんで満腹感を与えられる。これによって、食事の摂取量を減らすことができる。また、コレステロールの吸収を抑制し、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できる。
オーツ麦、大麦、リンゴ、イチゴ、プルーン、キヌア、オクラなど。
不溶性食物繊維
水に溶けにくい性質を持つ。不溶性食物繊維は、水を吸収せずに腸内を通過していく。主な効果は、実際にはカロリーを摂取していないにもかかわらず、満腹感を得ることができる。これにより、カロリー摂取量を制限しやすくなるのだ。さらに腸内通過を促進し、便のかさを増やすこと。これにより、便通を改善し、便秘の予防や緩和に役立つ。
穀物(全粒穀物)、野菜(ブロッコリー、にんじん、ジャガイモなど)、果物の皮、ナッツ、種子など。
食物繊維の効果
満腹感を得られる
食物繊維は、水溶性、不溶性どちらも水分を吸収して膨らむ傾向がある。食物繊維を摂取することで、胃内で膨張し、満腹感を感じやすい。これにより、食事の摂取量が減る効果が期待できる。
カロリーコントロール
不溶性の食物繊維は、一部の繊維成分が消化されずに体外に排出される性質を持っている。したがって、食物繊維を摂取することで、実際にはカロリーを摂取していないにもかかわらず、満腹感を得られやすい。これにより、カロリー摂取量を制限しやすくなる。
血糖値の調整
食物繊維は、炭水化物の消化を遅らせる作用がある。それにより血糖値の急激な上昇を抑えることができる。血糖値の急激な上昇は、血管を傷めるだけでなく体のコンディショニングを悪化させ、その後の血糖値の急降下を促してしまう。それが食欲増進につながり、ダイエットにとって悪循環となる。
腸内環境の改善
食物繊維は、腸内細菌のエサとなることがわかっている。適切な量の食物繊維を摂取することで、腸内細菌のバランスを改善し、健康な腸内環境を促進。良好な腸内環境は、脂肪を燃焼しやすい身体をサポートする。また、便通を改善し、便秘の予防や症状の緩和にも役立つ。
食物繊維の適性な摂取量は?
では、どのくらい食物繊維を摂るのがいいのだろう。厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の目標量は、18~64歳では1日あたり男性21g以上、女性18g以上となっている。それに対し、ほとんどの人が20g未満しか摂取できていない。摂り過ぎは、逆に便秘の悪化につながることも考えられるが、よほどのことがない限り、食物繊維は多ければ多いほど摂ったほうがいい。
食事(メニュー)を選ぶとき、食物繊維が十分とれているかどうかという視点で選ぼう。それがあなたのダイエットにとって最も効果的なサプリメントになる。