原因はわからないけど「だるい…」「体が動かない…」「頭がいたい…」「食欲がない…」「痩せられない…」
なんてこと、ないだろうか。
疲れかな、寝不足かな、ストレスかな、気圧のせいかな、、そんな理由をつけて、とりあえず日々が過ぎていく。それを繰り返して、何年後かあるいは十数年後かに病気となって現れてくる。おそらく様々な原因が複合的に関係して病気になるのだろう。
そして、その原因の一つに、身体にとっての不要なモノ(毒素)の蓄積がある。
私たちは日常の中で、生きるために必要な栄養を摂取するとともに、体にとって不要なもの、もしくは有毒なものまで同時に摂取している。重金属などの有害ミネラルや残留農薬、化学合成物質、食品添加物、薬など。さらに口から入るものだけではない。化粧品や日用品からも化学物質を吸収する。また、空気中にある汚染物質やPM2.5など、ダイオキシンやカビ、建材や家具などで使用されるホルムアルデヒドなど身の回りの環境からも摂取してしまう。
これらは、私たちの生活にあまりに密接に関わっているため、よし!有害だから明日から一切摂取しないようにしよう!と、決心してできるものではない。それにはよほどの覚悟と環境が必要になる。しかしこれら有害物質や老廃物などの不要物が体に蓄積していくと、いずれ健康に良くない影響を及ぼすことは容易に想像がつく。
私たちは日常的に有害物質を取り込み、それを分解・排出するためにかなり自分の内臓に負担をかけている。その負担が大きければ、病気や老化、肌荒れなどの症状に繋がってしまうのは当然だろう。
もし、あなたも自分のパフォーマンスを常にトップレベルにしておきたい、体型を維持していたい、元気で過ごしたい、美しさを保ちたい、と思うのであれば、デトックスに少しでも取り組んでおくべき。
有害物質が蓄積するデメリット
人間の体は、害のある物質を溜めこまないように、肝臓や腸内細菌が解毒して、「大便」「尿」「汗」などの形で体外へ排出している。しかし、日常的に大量の有害物質を摂取していると、すべてを排出しきれず、体に蓄積してしまうのだ。それによって健康にどのような影響が表れるのだろうか。
人間の酵素の働きを邪魔する
人間が生きるために体内では、およそ数千種類もの酵素が働いている。そもそも卵子と精子が受精できるのも酵素、そこから成長して、呼吸し、食べ、消化して排出する、手足を動かす、これらもすべて酵素の働きによるものなのだ。有害物質はこの酵素の働きを阻害してしまう。はっきりした病気じゃないのに、なんだか調子が悪い、なんてあなたも感じたことない?
肝臓に負担がかかる
肝臓は、有害物質を分解し解毒する重要なデトックス器官。有害物質が増えれば当然肝臓に負担がかかる。その負担が大きくなれば、肝臓の他の機能が働かなくなってしまう。それによって、エネルギーが生み出せず疲れやすくなる、代謝が落ちて太りやすくなる、だるい、むくむ、などの症状に表れ、当然重篤な病気にもつながる。
太りやすくなる
代謝酵素の働きを悪くさせ、さらに腸内環境を悪化させる。また、細胞内にあるミトコンドリアは、多くの酵素を利用して栄養素からエネルギーを作りだしている。有害物質は、ミトコンドリアの働きも邪魔してしまうので、太りやすい体にしてしまうのだ。
むくみやすくなる
老廃物が多くなると、それを流す静脈やリンパが滞りやすくなる。すると、うまく余分な老廃物や水分を排出することができなくなり、むくみに表れてくる。
免疫力が低下する
有害物質は、腸内細菌にダメージを与える。すると免疫機能を司る腸内環境が悪化し、免疫力が低下。免疫力が低下すれば、さまざまな感染症への防御ができなくなり病気にかかりやすくなる。
便秘になりやすくなる
腸内環境が悪化すれば、当然便秘になりやすくなる。さらに、溜まってしまった便からは毒素が放出され、便秘を促進させるという悪循環になってしまうのだ。
吹き出物などの肌トラブル
老廃物や有害物質は代謝機能を鈍らせ、肌のターンオーバーにも影響を及ぼす。それにより肌トラブルも生じやすく、また血中に流れる有害物質が肌表面に出てきて、大人ニキビや吹き出物などの原因となってしまう。
これだけではない
人と程度によっては、精神面に支障をきたしたり、より重篤な病気の原因になったりすることもある。水俣病などもその一例だ。
だから日頃から、できるだけ溜めないようにしよう、体の内側をキレイにすっきりさせよう、という意識や行動が必要なのだ。内側をすっきりさせないと、たとえじっくり休息をとってもあなたの悩みの根本が解決できないかもしれない。
さあ!まずはできるところから始めよう!できる範囲で始めて、是非習慣にしてほしい。
有害物質を溜めない方法
日本の現代社会において、食品添加物大国の日本において、有害物質の摂取を一切排除することは、現実的に不可能に近いこと。しかし、有害物質をできるだけ取り込まないようにすることはできる。人それぞれ違う環境、体質、嗜好があるので、それぞれができる範囲で構わない。無理とは思わずに、まずはできるところから取り組んでみてほしい。
食品添加物をできるかぎり摂らない
食品添加物とは、文字通り食品に添加されたもの。製品に、風味や着色、食感などを加えるため、また保存や酸化防止などの目的で添加されている。これらは食品として使用することが国に許可された化学物質。動物実験によって一定量の範囲では、摂取しても人体に影響を及ぼさない「であろう」ということが国に認められたものだ。しかし、これらはあくまで、動物を対象に単体成分で行われた実験結果で、確実に安全といえるわけではない。事実、認可された後に発がん性が認められ使用不可となった添加物も多数ある。
国に認められていようがいまいが、これらを多く摂取すると解毒を担当する肝臓にもその分負担がかかる。
しかし、気を付けようにも食品のパッケージの原材料欄を見ても、何が添加物だか分かりずらい。そんなとき判断基準として有効なのは、表示されている原材料名が知っているものかどうか。読んでも何か理解できない原材料が多く記載されていたら、できるだけ避けたほうがいいということになる。
加工食品をできるかぎり摂らない
ほとんどの加工食品には、添加物が使われているため、できるだけ避けたほうがいい。ただし、私たちの社会において加工食品を全く食べないということは、非常に難しいこと。私だって、ソーセージは大好きだし、レトルトカレーもよく食べる。でも、意識するだけで、少しでも減らすだけで、有毒物質が体に蓄積されるリスクが減る。まずは、意識するところから始めよう。
野菜や果物は無農薬を選ぶ
これもなかなか難しい。
海外産の野菜や果物は、農薬以外にも防腐剤や光沢剤などが使用されていることが多いので、できれば国内産、さらには居住地の近隣で生産されたものを選ぶ。
また、有機栽培は良さそうだけど、有機肥料には十分に熟成されていない堆肥が使われているものも多く、そうなるとかえって体に良くないなんてこともある。信頼できる有機農家から手に入れることをお勧めする。
菓子類・清涼飲料はなるべく摂らない
菓子(特にスナック菓子)や清涼飲料は、砂糖(合成甘味料、果糖ぶどう糖液糖などを含む)の宝庫。糖類は、摂り過ぎると太るだけでなく、糖尿病のリスク、倦怠感、精神面への影響、その他さまざまな影響を及ぼす。現代人は、日常的に糖を摂り過ぎてしまう傾向にあるので、できるだけ菓子や清涼飲料は少なめに心がけよう。菓子は手作り、ジュースは生搾りが理想的。
医薬品はできるだけ飲まない
薬は、どうしても苦しく生活に支障があるときだけ飲むようにしよう。例えば、風邪をひいて熱が出たとき、解熱剤を飲むこと。これはできるだけやめたほうがいい。熱は体が風邪を治すために出している。その熱を薬で下げてしまうのは、体が治ろうとしているのを邪魔をしているのと同じだ。あまりに高熱で苦しいとき、または医師からの指示があったときだけにしよう。他の薬も同様だ。
薬は飲んでも基本的には分解されて排出されるが、蓄積されやすいものもある。また、代謝機能が低下していたりすると、排出されづらくなってしまう。そういった観点からも、薬はできるだけ飲まないほうがいい。
ただし、かかりつけ医の指示があったときには、医師の説明を受けたうえで指示に従うようにしよう。